サイエンスアゴラ・Richard Wiseman講演会レポート
単身で快晴のお台場へ.
お目当ては,Richard Wiseman教授の講演会「Mind Magic」
http://www.psy.herts.ac.uk/wiseman/
心理学者(特にattention?)である彼は,手品に着目して,人がどうやって外界情報を処理しているかを研究しているイギリスの研究者.
講義は非常に明快.手品を交えたり,錯視図形を交えたり.風船を割ってみる・割って音を立てる・客に風船を飛ばしてもらう,など,ほんとうに観客を楽しませよう,という意思がよくわかる講演.まさに参考にしたい.
今回のサイエンスアゴラでは,いかにして科学の面白さを伝えるか,ということが1つのトピック.そのためか,「手品を使って楽しませるのはいいがそれだけでいいのか?」というシビアな質問も.それに対して,
「バランスをとることは非常に重要.
楽しいだけだったら,何も学ばない.
でも,学ぶばっかりだと,ぜんぜん楽しくない.
そのどこでバランスをとるか.それがとても大事なんだよ」
It is important to get balance to keep motivating people.
If there were too much entertaining, there would be no learning.
If there were too much learning, there would be no entertaining.
That's the reason why the balance is important.
のようなことを話していたのが印象的(文章は完全には一致しないけど.私の解釈も含まれています)
その後,ほんとは日曜日に話す内容だったのだと思うが,"wow! moment" (わー,すごーい)という感覚を与えることで,いろいろなことに興味を持たせることも出来る,という点に触れていた.
まさにその通りで,それがChanging Signature(人生を変える,左右するもので,ずっと後にもよりどころになるような契機・体験)になりうるのだろうと,激しく同意.
また,講演の中で,"It's all magic"(いやー,ま,なんでもマジックなんだよ)と笑いながら言っていたのがとても印象的だった.このフレーズ,もらおう.
ちなみに,いろいろ本も書いている模様.例えば,下記,とか.
- 作者: リチャード・ワイズマン博士,矢羽野薫
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/06/30
- メディア: 単行本
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その他,サイエンスカフェ(科学的なトピックに関して,ざっくばらんにお茶を飲みながら話すカフェ)の試みを積極的に取り組んでいる団体の人にも何人か出会えたのは非常に良かった.
たとえば,NPO法人 ScienceStation
http://sciencestation.jp/